ウォシュレットの電気代は月いくら?節約できる設定と、冬に高くなる理由を元開発者が解説

ウォシュレットの電気料金 使い方・メンテナンス

「ウォシュレットって、一日中つけっぱなしだけど電気代は大丈夫?」 「冬になって電気代が上がった。トイレの便座のせいかも」

毎日使うものなので、どれくらいかかっているのか気になりますよね。

先にお伝えすると、ウォシュレットの電気代は、平均で年間約2,800円(瞬間式)〜約4,800円(貯湯式)、1か月にすると230円〜400円ほどが目安です(機種によって上下します)。そして、その電気代の多くは、トイレを使っていない時間に、便座(貯湯式はタンクのお湯も)を温めておくためにかかっています。

そのため、ふたを閉める、便座の温度を一段下げるといった、手間のかからないことで電気代を下げられます。

この記事では、水まわり商品の開発に携わってきた筆者が、ウォシュレットの電気代の目安と、なぜ使っていない時間にも電気がかかるのか、効果の大きい節約のしかたを解説します。

※「ウォシュレット」はTOTO株式会社、「シャワートイレ」は株式会社LIXILの登録商標です。本記事では便宜上、温水洗浄便座全般を「ウォシュレット」と表記しています。

結論:ウォシュレットの電気代は年間・1か月でいくら?

今売られている機種の平均でみると、ウォシュレットの電気代は次のとおりです。

お湯の作り方年間の電気代(平均)1か月の電気代(平均)機種による幅(年間)
瞬間式(使うときにその場で温める)約2,760円約230円約1,800円〜3,970円
貯湯式(タンクにお湯をためておく)約4,770円約400円約4,120円〜5,670円

※資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の年間消費電力量(瞬間式:平均89kWh、最小58〜最大128kWh/貯湯式:平均154kWh、最小133〜最大183kWh)に、1kWhあたり31円(税込)をかけて計算しました。電力会社の料金プランや、家での使い方によって変わります。

平均で比べると、瞬間式のほうが年間2,000円ほど安くなります。

ただし、同じお湯の作り方でも、機種によって2倍ほどの差があります。瞬間式でも高めの機種は、貯湯式の安めの機種とあまり変わりません。差が出る理由は、あとの章で説明します。

自分の家のウォシュレットの電気代を知るには

取扱説明書やメーカーのカタログには、たいてい「年間消費電力量(kWh/年)」が書かれています。この数字に、電気の単価をかけると、おおよその年間の電気代が出ます。

年間消費電力量(kWh/年)× 31円 = 1年間の電気代の目安

31円は、全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める電力料金の目安単価(1kWhあたり31円、税込)です。たとえば、年間消費電力量が100kWhなら、約3,100円です。

電気代の大半は「使っていない時間の保温」

トイレに座っている時間は、家族が多くても1日のうちのほんの短い時間です。それなのに電気代がかかるのは、使っていない時間も、すぐに使えるように温めておく作りになっているからです。

1日24時間のうち、トイレを使っている時間はわずかで、残りの時間は便座を保温していることを示す図。節電モードを使うと、使わない時間帯の保温を下げられる

便座の暖房(ヒーター)は、座っていない間も温度を保っている

便座の中にはヒーターが入っていて、設定した温度を保つように、使っていない間も温め続けています。座ったときにひやっとしないのは、このおかげです。

温まった便座の熱は、トイレの空気に少しずつ逃げていきます。逃げたぶんを、ヒーターが温め直しています。便座の電気代は、この「温め直し」の積み重ねだと考えると、節約のしかたが分かりやすくなります。

貯湯式は、タンクのお湯も温め続けている

貯湯式のウォシュレットは、本体の中のタンクにお湯をためておき、いつでも温かい水で洗えるようにしています。そのため、便座に加えて、タンクのお湯も保温する電気がかかります。上の表で貯湯式のほうが高いのはこのためです。

(貯湯式と瞬間式の仕組みは、ウォシュレットの捨て方の記事の図で詳しく説明しています)

瞬間式が安いのは、使うときだけお湯を作るから

瞬間式は、洗うときに水をその場で温めます。お湯をためておかないので、お湯の保温の電気がいりません。

ただし、瞬間式でも便座の保温はしています。「瞬間式なら電気代はほとんどかからない」わけではない点に注意してください。

最新の機種でも、電気代に2倍の差が出るのはなぜ?

結論の表のとおり、同じ瞬間式どうしでも、年間の電気代には2倍ほどの差があります。どれも今売られている機種なのに差が出るのは、「使っていない時間に、どれだけ熱を逃がさずにいられるか」の作りが機種ごとに違うからです。主な違いは次のとおりです。

違い電気代への効き方カタログで分かるか
瞬間暖房便座かどうか使っていない間の便座の保温を低めの温度で済ませられる分かる(機能の一覧)
便ふたの断熱材の有無ふたを閉めたときに、熱が逃げにくくなる書かれていないことが多い
便座と便ふたの形閉めたときのすき間が少ないほど熱が逃げにくい分からない
便座の中の断熱材とヒーターの熱の伝え方座る面だけを効率よく温められる分からない
貯湯タンクの大きさ(貯湯式)お湯の量が多いほど、保温の電気がかかる分かる(仕様表)
便座と便ふたの断面図。ふたの断熱、ふたと便座のすき間、ヒーターの熱の伝え方、便座の中の断熱材で、熱の逃げ方が変わることを示す

瞬間暖房便座かどうか

いちばん差が出やすいのがここです。ふつうの便座は、使っていない間も設定の温度を保っています。一方、瞬間暖房便座は、人がいない間はやや低めの温度で保温しておき、人が近づいたときに、快適な温度まで短い時間で温める作りです。使っていない間の保温の温度を低くできるので、そのぶん電気代が下がります。

ただし、トイレに入ってすぐに座ると、最初の数秒は少しだけ冷たく感じることがあります。快適な温度まで温める前に座ってしまうためです。電気代と、座ったときの温かさのどちらを優先するかで選ぶとよいでしょう。

名前が似ていますが、「瞬間式」はお湯の作り方、「瞬間暖房便座」は便座の温め方のことで、別の機能です。瞬間式の機種でも、便座はふつうの保温式のこともあります。

便ふたに断熱材が入っているか

ふたを閉めると熱が逃げにくくなるのは、節約の章で書いたとおりです。そのふた自体に断熱材が入っていると、ふたの外へ熱が抜けにくくなり、閉めたときの保温の効果がさらに高くなります。同じ「ふたを閉める」でも、機種によって効き方が違うということです。

便座と便ふたの形

ふたを閉めたときに、便座とふたのあいだにすき間が多いと、そこから温まった空気が逃げていきます。閉めたときにすき間が少なく、熱がこもりやすい形ほど、保温に使う電気は少なくて済みます。

便座の中の断熱材と、ヒーターの熱の伝え方

便座のヒーターの熱は、座る面だけでなく、便座の裏側(便器の中の側)にも逃げていきます。便座の中に断熱材をどう入れるか、ヒーターの熱をどう座る面に伝えるかで、同じ温かさにするのに必要な電気の量が変わります。座る面に熱が早く、むらなく伝わる作りほど、無駄が少なくなります。

貯湯タンクの大きさ(貯湯式)

貯湯式では、タンクにためておくお湯の量が多いほど、保温に使う電気が増えます。ただし、タンクが小さすぎると、続けて使ったときにお湯が足りなくなりやすくなります。電気代と、お湯がどれだけ続くかのバランスで、機種ごとにタンクの大きさが決められています。

カタログの「年間消費電力量」に入っていないもの

カタログの年間消費電力量には、便座の暖房と、おしりを洗うお湯を温める電気が入っています。一方で、次のような付加機能の電気は含まれていません。

  • 脱臭
  • 室内暖房(トイレルームの中を温風で暖める機能)
  • 温風乾燥

なかでも室内暖房は、一部の上位機種にしかない機能ですが、オンにしていると冬の電気代は大きく上がります。カタログの数字が小さい機種でも、室内暖房をよく使う家では、実際の電気代はカタログより高くなると考えてください。

反対に、ふたを自動で開け閉めする機能は、ふたの閉め忘れを防げるので、節電になることがあります。ただ、これもカタログの数字には表れません。


こうした作りの違いや付加機能の多くは、カタログを見ても分かりません。買い替えるときは、まず「年間消費電力量」の数字で比べ、そのうえで室内暖房などの付加機能を使うかどうかを考えるのが確実です(買い替えの章)。

電気代を下げる設定と使い方

保温の電気を減らせば、電気代は下がります。手間が少なく効果の大きいものから並べました。

やること年間の節約の目安手間
使ったあと、ふたを閉める約910円毎回ふたを閉めるだけ
便座の温度を「中」から「弱」に約620円一度設定するだけ
洗浄水の温度を「中」から「弱」に約250円一度設定するだけ
節電モード(タイマー・自動)を使う機種による一度設定するだけ
夏は便座の暖房を切る季節による季節の変わり目に1回

※節約金額の目安は、資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」の試算です。上の3つはいずれも貯湯式の場合で、便座の温度は冷房を使う時期は暖房をオフにした場合です。機種や使い方で変わります。

ふたを閉めるだけで、なぜ電気代が下がるの?

温まった便座は、むき出しの面から熱が空気に逃げていきます。ふたを閉めると、便座がふたで覆われて、熱が逃げにくくなります。逃げる熱が減れば、温め直す電気も減ります。

ふたを自動で閉める機能がある機種なら、その設定をオンにしておくのもおすすめです。

便座と洗浄水の温度は、季節に合わせて

便座の温度は、高く設定するほど、空気との温度差が大きくなり、逃げる熱も増えます。春や秋は一段下げる、夏は切る、と季節で変えるだけでも違います。

節電モードは「使わない時間の保温を下げる」機能

多くの機種には、節電のための機能がついています。名前はメーカーによって違いますが、しくみは大きく2つです。

  • タイマー節電:夜中や外出中など、決めた時間帯に便座やタンクの保温を止めます。
  • 自動節電(学習):トイレをあまり使わない時間帯を本体が覚えて、その時間は自動で温度を下げます。

どちらも、「使っていない時間の保温を減らす」という考え方です。自分で毎日電源を切らなくても、同じことを自動でしてくれます。使い方は取扱説明書の「節電」のページで確かめてください。

実は、結論の表の電気代は、節電の機能を使った場合の数字です。節電の機能を使わないと、電気代は次のくらいになります。

お湯の作り方節電を使う(年間・平均)節電を使わない(年間・平均)差
瞬間式約2,760円約3,690円約930円
貯湯式約4,770円約6,730円約1,950円

※資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の年間消費電力量(節電を使わないときの平均:瞬間式 119kWh/貯湯式 217kWh)に、1kWhあたり31円(税込)をかけて計算しました。

特に貯湯式は、節電の機能を使うかどうかで、年間2,000円近く変わります。

節電の機能は、買ったときのままではオフになっている機種もあります。一度リモコンの設定を見直してみてください。

つけっぱなしでいい?コンセントを抜くのはおすすめしない理由

「使わない時間はコンセントを抜けば、もっと安くなるのでは?」と考える方もいると思います。

結論から言うと、毎日の抜き差しはおすすめしません。 理由は次のとおりです。

  • 冷えた便座やタンクを温め直す電気がかかるので、思ったほど電気代が下がらないことがあります。
  • 機種によっては、自動のノズル洗浄や、冬の凍結を防ぐ機能も止まってしまいます。
  • コンセントはトイレの水まわりの近くにあります。濡れた手で抜き差しするのは危険です。

毎日の「使わない時間」は、上の節電モードに任せるのが安心です。

一方で、旅行などで長く家を空けるときは、電源を切ると節電になります。ただし、冬に寒い地域で電源を切ると、本体の中の水が凍るおそれがあります。冬に長く家を空けるときは、取扱説明書の手順(凍結を防ぐ方法や水抜き)を先に確かめてください。

便座カバー・便ふたカバーは、節電になってもおすすめしない

ネットでは、節電の方法として、便座カバーや便ふたカバーをつけることがすすめられていることがあります。たしかに、便座の熱が逃げにくくなるので、節電にはなります。

ただ、温水洗浄便座では、おすすめしません。理由は3つです。

  • 着座センサーがうまく働かなくなることがある:座ったことを本体が正しく感じ取れず、おしりの洗浄が動かない、反対に脱臭が入りっぱなしになる、といった不具合につながる可能性があります。
  • 便座や便ふたの開け閉めがうまくいかなくなることがある:カバーの重さや引っかかり、重心が変わることで、開け閉めの不具合につながる可能性があります。ふたを自動で開け閉めする機種では、特に気をつけたいところです。
  • 汚れがたまりやすい:カバーの布や、カバーと便座のすき間に汚れや水分がたまりやすく、衛生的とはいえません。

節電なら、カバーをつけるより、ふたを閉める、温度を一段下げる、節電モードを使うほうが、不具合の心配なく続けられます。

冬に電気代が高くなる理由

同じ設定のままでも、冬はウォシュレットの電気代が上がります。理由は2つです。

  1. トイレの室温が低いと、便座から逃げる熱が増えるので、温め直す電気が増えます。
  2. 水道の水が冷たいと、同じ温度のお湯を作るのに多くの電気がいるので、洗浄水を温める電気が増えます。

逆に言えば、冬こそ、ふたを閉める・節電モードを使う効果が大きくなります。 寒いトイレほど逃げる熱が多いので、それを止めるふたの効果も大きくなるからです。

また、『カタログの「年間消費電力量」に入っていないもの』の章で説明した室内暖房機能なども冬に電気代が上がる理由になることがあるので、確認してみてください。

ちなみに、瞬間式の機種では、冬に水の勢いが弱く感じることがあります。これも「冷たい水を温める力に上限がある」ことが理由です。
ウォシュレットの水圧が弱い原因|急に弱くなった・買い替えたら弱いときの確かめ方

古い機種なら、買い替えで電気代は下がる?

10年以上前の機種は、今の機種より電気を多く使うものが多いです。省エネの基準(トップランナー制度)ができてから、メーカー各社が節電の機能を増やしてきたためです。

ただし、電気代の差だけで買い替えの費用の元を取るのは、難しいことが多いです。たとえば、年間の電気代が2,000円下がっても、本体と取り付けの費用を合わせると数万円かかるので、元を取るには長い年数がかかります。

おすすめは、故障したときや寿命が近いときに、買い替えるなら瞬間式や節電機能のある機種を選ぶ、という考え方です。選ぶときは、カタログの「年間消費電力量」を見比べてください。
本体価格が少し高くても、消費電力量が小さい機種を選んだ方が電気代を考えればお得なこともあります。

よくある質問

Q. ウォシュレットの電源はつけっぱなしでも大丈夫?

A. 普段使う分には、つけっぱなしで問題ありません。多くの機種は、使っていない間も便座の温度を保つ前提で作られています。電気代が気になる場合は、ふたを閉める、節電モードを使う、といった方法で、使っていない時間の電気を減らせます。コンセントを抜くのがおすすめではない理由も参考にしてください。

Q. 夜だけ電源を切ると節約になる?

A. 多少は下がりますが、朝に冷えた便座を温め直す電気もかかります。毎日自分で切るより、決めた時間帯に保温を止めてくれるタイマー節電の機能を使うほうが手間なく確実です。

Q. ウォシュレットの水道代はどれくらい?

A. おしりを洗うときに使う水の量は、トイレを流す水に比べてずっと少なく、水道代はわずかです。水道代を気にするなら、ウォシュレットよりトイレを流す水の量(大・小の使い分け)のほうが影響は大きいです。

Q. 洗浄なしの暖房便座だけでも電気代はかかる?

A. かかります。便座を温める電気は、洗浄の機能がなくても同じように必要です。機種によって違うので、取扱説明書やカタログの年間消費電力量で確かめてください。

Q. 賃貸でも、節電できる機種に取り替えていい?

A. 賃貸では、取り替える前に貸主(管理会社)の許可が必要です。取り付けの費用や、退去のときの扱いは、こちらの記事で解説しています。 賃貸にウォシュレットを取り付ける費用

まとめ

  • ウォシュレットの電気代は、平均で瞬間式が年間約2,760円(月230円)、貯湯式が年間約4,770円(月400円)ほどです。機種によって上下します。
  • 電気代の多くは、使っていない時間に便座(貯湯式はタンクのお湯も)を温めておくためにかかっています。
  • ふたを閉める、温度を一段下げる、節電モードを使うだけで、電気代を下げられます(貯湯式なら、ふたと温度だけで年間1,800円ほど)。
  • 冬は電気代が上がりやすいので、ふたと節電モードの効果が大きくなります。
  • 毎日コンセントを抜くより、節電モードに任せましょう。冬に長く家を空けるときは、取扱説明書で凍結の対策を確かめてください。

※メーカー公式の「節電」のページ

※参考資料(参照日 2026-11-01)

ミズネコ

大手住宅設備メーカーで、商品開発を担当していました。
水まわり商品の設計に従事し、不具合の原因調査から新商品の設計主担当まで、
試作から量産の立ち上げまでを一貫して経験しています。
市場調査や、実際に使う方への聞き取り調査も手がけてきました。

ミズネコをフォローする
使い方・メンテナンス
ミズネコをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました