ウォシュレットを使ってみたいけれど、どう使えばいいか分からない。
いつも使っているけれど、この使い方で合っているのか自信がない ——
そんな方も多いのではないでしょうか。
ウォシュレットの使い方の基本はシンプルで、
最初に覚えるボタンもそれほど多くありません。
この記事では、住宅設備メーカーで水まわり商品の開発に携わっていた立場から、
基本の手順、リモコンのボタンの意味、使うときによくある不安への答え、
子どもや高齢の方が使うときの注意まで解説します。
※「ウォシュレット」はTOTO株式会社、「シャワートイレ」は株式会社LIXILの登録商標です。本記事では便宜上、温水洗浄便座全般を「ウォシュレット」と表記しています。
結論:基本は「深く座る → 洗う → 止める → 拭く」
ウォシュレットの使い方の基本は、次の4ステップです。
① 便座に深く座る
② 「おしり」または「ビデ」ボタンを押す
③ 10〜20秒洗ったら「止」ボタンを押す
④ トイレットペーパーで、こすらずに押さえて水分を拭き取る
たくさんのボタンの使い方を最初から覚える必要はありません。
まずはこの流れで使ってみて、慣れてきたら少しずつ機能を試してみてください。

まず知っておきたいリモコンのボタン
リモコンにはたくさんのボタンが並んでいますが、基本的な使い方であれば、次の表のボタンを覚えておけば十分です。

| ボタン | 機能 |
|---|---|
| おしり | 肛門のまわりを洗う。押すとノズルが出てきて水が出る |
| ビデ | 女性の外陰部を洗う。おしり洗浄よりやわらかい水が出る |
| 止 | 洗浄や乾燥を止める。ノズルは自動で本体に戻る |
| 水勢・洗浄強さ | 水の強さを調整する。「強・弱」「+・-」と表示されている機種もある |
| 位置 | 水が当たる位置を前後に調整する。「前・後」と表示されている機種もある |
| 温水温度 | 洗浄に使うお湯の温度を調整する。「高・低」と表示されている機種もある |
| 乾燥 | 温風でおしりを乾かす |
ボタンの名前や表示はメーカーや機種によって異なります。お使いのリモコンで見つからない場合は、取扱説明書で確認してください。
基本の使い方
ここからは、おしり・ビデ洗浄の実際の手順をひとつずつ説明します。
ボタンの名前や位置はメーカーや機種によって少しずつ違いますが、
基本の流れはどの機種でも同じです。
なお、「おしり」と「ビデ」の違いについては、記事「ウォシュレットの『おしり』と『ビデ』の違いは?」で詳しく解説しています。
① 便座に深く座る
まず、便座に深く腰かけます。
浅く座ると、水が狙った位置に当たらず、うまく洗えません。
便座の穴の後ろ側に、おしりが軽く触れるくらいが目安です。
座る位置については、記事「ウォシュレットの『おしり』と『ビデ』の違いは?」の「便座に座る位置」でもう少し詳しく解説しています。
② 「おしり」または「ビデ」ボタンを押す
座った状態で、リモコンの「おしり」または「ビデ」ボタンを押します。
少しするとノズルが出てきて、水が出始めます。
なお、便座に座っていないと、ボタンを押しても水は出ません。
多くの機種では、便座に人が座っていることをセンサーで確かめてから水を出す仕組みになっています。
誰も座っていないときに水が噴き出して、トイレ中を濡らしてしまうのを防ぐためです。
同じ理由で、洗浄中に立ち上がると、水は自動的に止まります。
③ 水の強さ・位置・温度を調整する
水が当たったら、強さ・位置・温度を調整します。
初めて使うときや、久しぶりに使うときは、いちばん弱い設定から始めると安心です。
強さは「強・弱」や「+・-」のボタンで、
当たる位置は「位置」や「前・後」ボタンで前後に動かせます。
水が当たる場所が大きくずれていると感じたら、設定を変える前に、
まず深く座り直してみてください。
温度は「温水温度」や「高・低」ボタンで調整できます。
ただし貯湯式の場合は、タンクのお湯の温度が変わるまで時間がかかるため、設定を変えてもすぐには水温が変わらないことがあります。
次回使うときに好みの温度になっているか確認してみてください。
④ 10〜20秒で「止」を押す
洗い終わったら「止」ボタンを押して、水を止めます。
洗浄時間は10〜20秒が目安です。
業界団体の日本レストルーム工業会も、
長時間の洗浄や洗いすぎに注意し、この時間を目安にするよう案内しています。
長く洗えばそれだけきれいになる、というものではありません。
⑤ トイレットペーパーで水分を拭き取る・乾かす
洗い終わったら、トイレットペーパーで水分を拭き取ります。
このとき、こするのではなく、軽く押さえるようにして水分を吸い取るのがポイントです。
汚れは洗浄で落ちているので、強くこする必要はありません。
乾燥機能が付いている機種では、温風で乾かすこともできます。
ただし、温風だけで乾かしきるには時間がかかるので、
先にトイレットペーパーで軽く水分を取ってから使うと早く乾きます。
⑥ 立ち上がって水を流す
最後に、トイレの水を流して終わりです。
タンクのレバーを操作するか、リモコンの「流す」「大」「小」などのボタンを押すと、水を流せます。
立ち上がると自動で便器の水が流れる機種もあります。
使い終わったあとのノズルは、多くの機種では自動で洗われてから本体の中に戻ります。
ノズルの手入れを毎回する必要はありません。
できれば覚えておきたいリモコンのボタン
基本の使い方に慣れてきたら、次のボタンも試してみてください。もっと快適にウォシュレットを使えるようになります。

| ボタン | 機能 |
|---|---|
| やわらか・おしりソフト・マイルド | 通常のおしり洗浄よりもやさしく洗う |
| ワイド・ムーブ | 洗う範囲を広げる。おしり・ビデどちらの洗浄で使えるかは機種による |
| マッサージ | 水の強さを周期的に変えて、マッサージするように洗う |
| 洗浄幅 | 水流の太さを調整する。「太・細」と表示されている機種もある |
| 便座温度 | 座る部分の温度を調整する。「高・低」と表示されている機種もある |
| 脱臭 | 便器内のにおいを吸い込んで脱臭する。座ると自動で動く機種が多い。より強力に脱臭する「パワー脱臭・ターボ脱臭」ボタンがある機種もある |
| ノズルそうじ | ノズルを出したままにして、掃除できるようにする |
| ノズル除菌・ノズルきれい | ノズルを自動で洗浄・除菌して、清潔に保つ |
| 節電 | 使わない時間帯に便座や温水の保温を控え、電気代を抑える |
ボタンの名前や表示、機能の有無は、メーカーや機種によって異なります。お使いのリモコンで見つからない場合は、取扱説明書で確認してください。
ノズルそうじボタンの使い方についてはこちらの記事で解説しています。
[ウォシュレットのノズル掃除のやり方|出し方・使える洗剤とやってはいけないことを元開発者が解説]
使うときによくある不安と疑問
ウォシュレットを使うときに、多くの方が気にする疑問をまとめました。
洗うのは拭く前?後?順番は?
一般的には、用を足したあとにまずウォシュレットで洗い、
そのあとトイレットペーパーで水分を拭き取る順番です。
先に洗って汚れを落としておけば、紙は水分を押さえて吸い取るだけで済みます。
強くこする必要がないので、肌への負担が小さくなります。
ただし、先に軽く拭いてから洗うのが間違い、というわけではありません。
大切なのは、強くこすらないことです。
初めてで怖い・くすぐったい
初めて使うときは、水がどのくらいの勢いで当たるのか分からず、不安に感じるものです。
次の2つを知っておくと、安心して試せます。
・水の強さを、いちばん弱い設定にしてから使う
・「止」ボタンを押せば、いつでもすぐに止められる
くすぐったく感じるのは、水が当たる位置が少しずれていることが多いです。
深く座り直すか、「位置」ボタンで前後に調整してみてください。
刺激が強いと感じる場合は、「やわらか」など水の勢いを抑えた洗い方を試してみてください。
水がおしりの中に入る感じがする
水の勢いが強すぎるか、当たる位置がずれていると、
そう感じることがあります。
水の強さを弱め、位置を調整してみてください。
なお、ウォシュレットは体の表面の汚れを洗い流すためのもので、
排便を促す目的で体の中に水を入れるような使い方はしてはいけません。
ノズルは汚くないの?
ノズルは便器の中に出てくるので、汚れていないか気になる方も多いと思います。
ウォシュレットには、ノズルが清潔に保たれるよう、いくつかの工夫がされています。
まず、ノズルは使わないときは本体の中に収納されていて、
便器の中に出ているのは洗浄しているあいだだけです。
また、水はノズルから斜めの角度で出るように設計されているため、
洗ったあとの水がノズルにかかりにくくなっています。
さらに、多くの機種には、使う前と使ったあとにノズルを自動で水洗いする機能があります。
機種によっては、水洗いに加えて除菌を行う機能も付いています。
業界団体の日本レストルーム工業会は、第三者機関の調査をもとに、
ノズルから出る水は水道水と同じ程度の水質だったと説明しています。
雑菌がノズルから水の通り道の奥へさかのぼることもない、としています。
ノズルが汚れていて、吐水が雑菌で汚染されていることはありませんか? | トイレナビ 一般社団法人 日本レストルーム工業会
公衆トイレのウォシュレットを使っても大丈夫?
公衆トイレのウォシュレットにも、上で説明したような清潔さを保つ工夫がされています。ノズルから出る水の水質に問題がないのも家庭用ウォシュレットと同様です。
とはいえ、気になる場合は無理に使う必要はありません。
子どもや高齢者が使うときの注意
ウォシュレットは家族みんなで使うものですが、
子どもや高齢の方が使うときには、いくつか気をつけたい点があります。
子どもが使うとき
子どもが使うときは、水の強さを弱めに設定しておきましょう。
大人に合わせた設定のままだと、勢いが強すぎて驚いてしまうことがあります。
体が小さいうちは、便座に深く座れず、水が狙った位置に当たらないことがあります。
うまく使えない場合は無理に洗浄機能を使用する必要はありません。
また、子ども用の補助便座を使っている場合は、ウォシュレットの洗浄機能は使用しないでください。
高齢の方が使うとき
高齢の方が使うときに特に注意したいのが、暖房便座による低温やけどです。
低温やけどは、体温より少し高い程度の温度でも、
長い時間触れ続けることで起きるやけどです。
熱いと感じにくいため、気づかないうちに進んでしまうことがあります。
日本レストルーム工業会も、皮膚の感覚が弱い方や高齢の方、
介護が必要な方は、暖房便座の低温やけどに注意するよう呼びかけています。
次の点に気をつけると安心です。
・便座の温度を低めに設定する
・便座に長時間座り続けないようにする
・皮膚の感覚が弱い方が使うときは、便座の暖房を切ることも検討する
まとめ
ウォシュレットの正しい使い方について、ポイントをまとめます。
・基本は「深く座る → 洗う → 止める → 拭く」の4ステップです
・初めて使うときは、水の強さをいちばん弱い設定から始めると安心です。
・水が当たる位置が大きくずれていると感じたら、設定を変える前に深く座り直してみてください
・洗浄時間は10〜20秒が目安です。長く洗えばきれいになるというものではありません
・洗ったあとは、トイレットペーパーでこすらずに押さえて水分を吸い取ります
・ノズルは使う前後に自動で洗われる機種が多く、
ノズルから出る水の水質も、業界団体の調査で問題がないとされています
・子どもが使うときは水の強さを弱めに、
高齢の方が使うときは暖房便座の低温やけどに注意してください


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