ウォシュレットのノズルが「ガガガ」と鳴る原因|元開発者が構造から解説

ウォシュレットのノズルを歯車で動かす模式図 トラブル

温水洗浄便座(いわゆるウォシュレット)のノズルが出るときや戻るときに「ガガガ」と異音がすると、壊れてしまったのか、このまま使って大丈夫なのかと不安になりますよね。

実はこの音は、鳴るタイミングを見ると原因のおおよその見当がつき、
中には部品の付け直しだけで直るケースもあります。

この記事では、住宅設備メーカーで水まわり商品の開発に携わっていた立場から、
ノズルが動く仕組みをもとに、音の原因の切り分け方、自分でできる対処、
修理や交換を考えるべきタイミングを解説します。

※「ウォシュレット」はTOTO株式会社、「シャワートイレ」は株式会社LIXILの登録商標です。本記事では便宜上、温水洗浄便座全般を「ウォシュレット」と表記しています。

結論:ガガガ音はタイミングで原因を切り分けられる

ノズルのガガガ音は、すぐに危険というものではないことが多いです。ただし、水漏れしている、焦げたようなにおいがするといった症状を伴う場合は、すぐに使用をやめ、電源プラグを抜いて修理を依頼してください。

ノズルのガガガ音の原因と対策は、以下の表のようにある程度切り分けることができます。

状況考えられる原因対策
ノズルが出るとき・戻るときに鳴るノズルの引っ掛かりや歯車の損傷により
機械に負荷がかかって音が鳴る
・ノズルシャッターやノズル先端部が取り外し可能な機種の場合は、
正しく取り付けられているか確認する
・ノズル周辺に異物が付いていないか確認する
・上記を行っても改善しない場合は、修理を依頼する
洗浄中ずっと鳴る・「ブブブ」という音の場合、
ウォシュレットのポンプ音が鳴っている
・ポンプの故障により音が大きくなっている
・修理を依頼する
使っていないのに鳴る・「ブーン」という音の場合、
ファンなどの部品が振動して音が鳴っている
・振動している部品が他の部品に
ぶつかって音が大きくなっている
・修理を依頼する
新しいウォシュレットを買ったら、
大きい音ではないが前の機種ではなかった音がする
機種によって正常範囲の音の
音質や音量が異なる
・商品仕様の可能性があるので様子を見る
・ただし、明らかに異常な音の場合などは
故障の可能性もあるので修理を依頼する

そもそもノズルはどうやって出入りしているのか

ノズルの出入りには、主にモーター方式と水圧方式の2種類があります。

駆動方式の違い

・モーター方式
モーターで歯車を回し、ノズルを前に押し出します。ノズル使用完了後は、歯車を逆回転させてノズルを元の位置に戻します。現在の機種ではこの方式が多く使われています。

ウォシュレットのノズル駆動方式(モーター方式)の模式図

・水圧方式
ウォシュレットの中には水圧がかかった水が流れているので、その水圧を利用してノズルを前に押し出します。ノズルの使用完了後は、水圧を遮断することでバネの力でノズルが元の位置に戻ります。現在の機種ではこの方式の機種は少なめです。

ウォシュレットのノズル駆動方式(水圧方式)の模式図

なぜノズルからガガガ音が出るのか

「ガガガ」という音は、モーター方式において、ノズルの引っ掛かり、異物付着、歯車の一部損傷などにより、モーターや歯車に負荷がかかって生じることがあります。
水圧方式では「ガガガ」という音はノズルから出づらいので、ノズル以外の部品が原因で異音が出ていることも考えられます。

タイミング別の原因と確認方法

ノズルが出るとき・戻るときに鳴る

ノズルの引っ掛かり、異物付着、歯車の一部損傷により、モーターや歯車に負荷がかかって音が出ている可能性があります。

ご自分で直せる可能性があるのは、ノズルシャッターが正しく取り付けられていないのが原因でノズルが引っ掛かっている場合です。一部のメーカー・機種では、ユーザーが掃除しやすいようにノズルシャッターを取り外せる仕様になっている機種があります。このシャッターの取り付け向きが間違っていたりきちんと嵌っていなかったりすると、ノズルの引っ掛かりとガガガ音の原因になりえます。その場合は正しくシャッターを取り付け直すことで改善します。
一方で、ノズルシャッターが取り外せない仕様の機種も多く存在し、無理に外そうとすると壊れてしまいますので、取扱説明書などをよく確認してください。

また、ノズル先端が掃除のために取り外せる機種も多く、それが正しく取り付けられていない場合もノズルの引っ掛かりとガガガ音の原因になりえます。このケースでも取扱説明書を確認のうえで正しくノズル先端を取り付け直してください。

ノズルシャッターやノズル先端、ノズル周りの異物などの問題がなかった場合は、モーターや歯車の異常などユーザーには修理できない現象が原因の可能性が高いので、メーカーや販売店に修理を依頼してください。

洗浄中ずっと鳴る

洗浄中にずっと鳴る「ブブブ」音は、ウォシュレットの水を制御するポンプの音の場合があります。機種によって音の質や大きさはまちまちなので、買い替えたばかりの場合は正常な仕様の可能性があります。使っているうちに音が大きくなった場合や明らかに異常に大きい音の場合はポンプの故障の可能性がありますので、メーカーや販売店に修理を依頼してください。

使っていないのに鳴る

使っていないのに鳴る「ブーン」といった音は、脱臭用ファンなどの部品の振動音の場合があります。機種によって音の質や大きさはまちまちなので、買い替えたばかりの場合は正常仕様の可能性があります。使っているうちに音が大きくなった場合や明らかに異常に大きい音の場合は、振動している部品が他の部品にぶつかっていたり、故障している可能性がありますので、メーカーに修理を依頼してください。

自分でできる対処と、やってはいけないこと

・自分でできる対処
ノズルシャッターの確認と取り付け直し。取扱説明書の範囲で行ってください。

・やってはいけないこと
ウォシュレットの取扱説明書にない操作、特に分解は絶対に行ってはいけません。感電や怪我の恐れがありますし、もし不良品だったとしてもメーカーの保証を受けられなくなってしまいます。途中で止まってしまったノズルを手で無理やり動かすことも、歯車をさらに痛める恐れがあるので避けてください。

修理か交換かの判断基準

・使用年数が設計上の標準使用期間(日本レストルーム工業会の基準により10年ですが、念のため取説をご確認ください)を超えている場合は、経年劣化による故障の頻発や安全上の問題がありますので、ウォシュレット自体の交換をおすすめします。

・ノズルのガガガ音は修理で十分対応可能なことが多いです。ただしウォシュレット丸ごと交換してしまいたい事情があれば、修理と交換の費用比較をしたうえで、交換も選択肢になります。
修理費用の目安はTOTOのwebサイト「修理料金を確認したい」に記載されており、「ノズルが出ない」の修理は20,000円~となっています。

・賃貸物件にお住まいの場合は、独断で修理や交換をせずに管理会社や大家さんに連絡してください。

よくある質問

Q. ノズルが途中で止まる・戻らない場合は?
A. ノズルが途中で止まる・戻らないといったトラブルの場合も、ガガガ音と似たような原因や対処方法であることが多いです。ノズルシャッターおよびノズル先端をチェックし、それでも直らなければ修理を依頼してください。
音がしないのにノズルが出てこない、ノズルは出るのに水が出ないという場合は、座り方や止水栓など、故障以外の原因もあります。確かめる順番は、こちらの記事で解説しています。
[ウォシュレットの水が出ない・動かない原因|故障か確かめる順番を元開発者が解説]

Q. 音がたまにしか鳴らない場合は様子を見てもいい?
A. すぐに危険な故障が起こる可能性は高くないので、音があまり気にならないのであれば様子を見ても問題ありません。ただしノズルが出ないなどの不具合につながる可能性もあるので、注意して経過を観察してください。

まとめ

ウォシュレットのノズルから「ガガガ」と音がする場合のポイントをまとめます。

・ガガガ音の多くは、モーターでノズルを動かす方式の機種で、
 引っ掛かりや歯車の損傷によって負荷がかかることで起きます。
・まずはノズルシャッターやノズル先端が正しく取り付けられているか、
 ノズル周りに異物が付いていないかを確認してください。
 取り外せるかどうかは機種によって違うので、必ず取扱説明書を確認してください。
・それでも改善しない場合は、分解せずにメーカーや販売店へ修理を依頼しましょう。
・使用年数が設計上の標準使用期間を超えている場合は交換も検討しましょう。
・賃貸物件の場合は、まず管理会社や大家さんに連絡してください。
・水漏れや焦げたにおいなど、音以外の異常を伴う場合は、すぐに使用をやめて電源プラグを抜いてください。

ミズネコ

大手住宅設備メーカーで、商品開発を担当していました。
水まわり商品の設計に従事し、不具合の原因調査から新商品の設計主担当まで、
試作から量産の立ち上げまでを一貫して経験しています。
市場調査や、実際に使う方への聞き取り調査も手がけてきました。

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